今回は、監査役会の伊東さん(写真左)、富井さん(写真中央)、小林さん(写真右)にお話を伺いました。
上場企業には、企業活動の健全性・適正性を担保するために、経営層から独立した機関で「監査」を行うことが法律で定められています。この任に当たるのが監査役会です。言われてみるとどこかでそんなことを習ったことがあるような…。でも実際にどんな人がどんな仕事をしているのかとなると見聞きする機会はなかなかありません。お話を伺った3人の監査役のうち、伊東さんと富井さんは社外監査役。なぜ社外出身の人から監査を受ける必要があるのか。そんな今さら聞けない監査の基本の基も今回教えていただきました。お話を伺っていくと、監査とは決して、コンプライアンスの不適合を見つけることそれ自体が目的ではなく、社員のウェルビーイングに深く関わっていることが見えてきました。
伊東
「経理経験者が監査役に選任されるのは、経理知識があると会計監査人と複雑化する会計課題の意見交換がスムーズなためです。製造現場の視察では数字ばかりを見ているわけではなく、やはり製造業として目指している「労災がない職場」に重きを置いて、日本監査役協会が出している「監査役監査チェックリスト」に照らして見ていきます。 作業現場というのは、そこで働く人たちにとってはいつもと変わらない風景です。社内出身者とは違う目でそこを見ることで安全に役立つ指摘ができればと思っています。安全確保ができてくれば職場が整理整頓され、事故の未然防止、品質クレームの減少につながります。結果的に社員本人だけでなく家族、同僚にとっての安心にもつながっていくはずです。 僕は製造現場のプロではありませんが、前職は化学メーカーですから、そういう考え方に根ざして「直感的に気付いた安全」を指摘することはできるのかなと思っています。」